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レオパレス・かぼちゃの馬車に見るサブリース契約の問題点

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サブリース契約の問題がまたクローズアップされています。テレビ東京「ガイアの夜明け」ではレオパレス21を取り上げて集団訴訟の問題を追求していました。また、シェアハウスのかぼちゃの馬車はサブリース賃料をオーナー様に支払えない事態に陥り大きな問題となっております。サブリース契約の問題点を考えてみます。

サブリース契約とは

サブリース契約とは簡単に言うと「賃貸物件を転貸することを目的として賃貸借契約を結ぶ」ことを言います。

オーナー様は賃貸物件を所有して、不動産会社が貸主代理として賃貸経営を行うのです。これがサブリース契約です。

・オーナー様(土地の所有者など) ⇒ 賃貸物件の所有者

・サブリース会社         ⇒ 貸主代理として賃貸経営を行う

賃貸物件を所有しているオーナー様は賃貸経営をする必要はありません。サブリース契約を結ぶことで、毎月一定額の賃料収入を得ることができて、トラブル対応や空室問題などに悩む必要がなくなるのです。

ただし、毎月一定額の賃料収入は、自分で賃貸経営をした時と比べて極端に少ない金額になります。トラブル対応や空室などのリスクを一切負う必要がありませんので、賃料収入が少なくても仕方ありません。

なお、サブリースは賃貸物件だけではなくホテルなどでも採用されている運営方式です。有名なところでは星野リゾートはホテル・旅館の運営専門会社であって、所有者ではありません。サブリースして運営しているのです。

 サブリース商法の問題点

サブリース契約自体は賃貸業界で一般的に行われているもので、大変良い仕組みだと思います。

資本主義の原理と同じで、お金がある人は賃貸物件を所有して、運営する能力がある人が賃貸経営を行うのです。

・お金がある人(土地を持っている人) ⇒ 賃貸物件を建築して所有者となる

・賃貸経営をできる人(不動産会社)  ⇒ 貸主代理として賃貸経営を行う

理にかなっていますね。会社も同じ仕組みです。お金がある人が資本(株式)を出して、会社を経営する能力がある人が経営をする(社長、その他社員)。

サブリース契約自体には、何にも問題がないことがわかりますね。

ただし、以前から指摘されているようにサブリース契約のリスクに対する説明不足という問題はあります。

説明不足…これ自体は金融商品全般やその他の営利行為全般についても同じ問題を抱えています。

サブリース契約の問題点とは、商品を売るため、営業活動で成約するために、その商品やサービスのメリットばかりを説明して、リスクなどの悪い面を説明しないことが問題なのです。

以前から問題になっているサブリース契約の本質

賃貸物件のサブリース契約は以前から何度も問題になっています。その根本的な問題はサブリース契約のリスク説明が不足している点です。

賃貸物件を所有しているオーナー様の代わりに、不動産会社が賃貸経営をすることは合理的であり、何にも問題がありません。

ただ、サブリース契約は10年、20年、30年という長い期間を設定して契約するものです。

この長期保証が賃貸物件のサブリース契約問題の本質的な問題なのです。すばり簡単な言葉で言ってしまえば、将来のことは誰にもわからない…ということです。

建物が新築の時は家賃も高く、入居者も確保しやすいですが、古くなれば家賃は下がり、入居率も下がります。

また、少子高齢化による新入学生、新社会人の減少や景気動向による賃貸物件利用者の減少など外部的な要因により家賃収入が減ってしまうこともあります。

この様々なリスクを賃貸物件のサブリース契約には盛り込まなければいけません。そして、そのリスクの説明をしっかりした上でサブリース契約を結ばなくてはいけないのです。

しかし、サブリース契約のリスクをしっかり説明してしまうと、サブリース契約をとることができなくなってしまいます。

もちろん、あくまでもリスクは万が一の話ですが…

それでもサブリース契約を結んでも将来的には経済状況の悪化により家賃が下落したり、入居率が下がった場合にサブリース契約を解除されたり、サブリース料金が減額されたりすることを説明されたら、普通の方はサブリース契約を結ばなくなってしまいます。

だから、サブリース契約の契約書類には小さくリスクについて書いてある程度でお茶を濁していたのです。

しかし、現在の日本は少子高齢化や過剰建築の影響で賃貸経営は大変難しくなっています。将来起こるであろうリスクが現実のものとなっているのです。

そうすると、30年間保証してくれるって言ったのに!!!!騙されたー!!!!嘘つき!!!!このハゲー!!!!となるのです。

レオパレスのサブリース契約は詐欺なのか?

さて、炎上しているレオパレスのサブリース契約は詐欺なのか?という問題ですが、サブリースの仕組みに問題はありませんので、サブリースの仕組み以外のところに問題がありそうです。

まず、詐欺の定義は「他人をだまして金や品物を奪ったり、損害を与えたりすること」です。

レオパレス商法は土地をたくさん持っている地主さんに「アパートを建てれば儲けることができる」といってアパートを建てさせて、その後の管理運営もするというものです。

ここで問題になるのは、契約時に30年間保証するというサブリース契約です。

30年という長い期間の間に経済環境も変わり、人口の比率なども変わります。そのため、もともと30年間も保証することができないはずなのに、空室であってもレオパレスが保証するから大丈夫と言ってサブリース契約を締結しているところに問題があるのです。

また、今回、テレビで取り上げられたのは「レオパレス銀座」です。田舎の田畑だったところにレオパレスの賃貸物件をたくさん建築したため、レオパレス銀座にあるレオパレスの入居率が悪くなったというものです。

同じ地域に同じアパートをたくさん建てれば入居率が下がるのは明白ですから、ここの判断はレオパレス詐欺と言われてもしかたありません。

レオパレスとしては建築費で売り上げを上げて、その後のアパート経営は二の次だったのでしょう。

また、レオパレス社内の文章が流出して、そこにはアパートを建築した後は強気に賃料交渉して、解約を迫れと書いてありました。

これではレオパレス商法が詐欺だと言われても仕方ありません。世の中うまい話はないですね。ただの田畑にアパートを建てて30年間も賃料を保証してくれるのなら誰も働かなくなりますね。

シェアハウス運営「かぼちゃの馬車」のサブリースはなぜ失敗したのか?

首都圏を中心に女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営してきたスマートデイズが、オーナーに対してサブリース賃料の支払い停止を発表しました。

簡単に言えば、サブリース契約で借り上げて、オーナー様の代わりにスマートデイズがシェアハウス「かぼちゃの馬車」として運営してきましたが、その運営が失敗して赤字が続いているため、オーナー様へ約束したサブリース賃料は支払えないよと伝えたのです。

シェアハウス事業は、いま流行している民泊の前に脚光を浴びたビジネスです。お風呂やトイレ、キッチンは共同で利用して、お部屋だけは各自個室があるという物件です。

このビジネスモデルは流行に乗っていたときはものすごい勢いでシェアハウスが増えていきました。また、そのシェアハウスを利用していた人も多かったです。

テレビ番組でもシェアハウスでの共同生活を取り上げた番組があるくらいですから、若者の間でシェアハウスが流行っていたのは間違いありません。

かぼちゃの馬車を運営するスマートデイズも短期間に売上が300億円まで膨れ上がっていますのでシェアハウス市場が急成長していたことは疑いようがないのです。

しかし、シェアハウスの流行が終わり、インターネットで気軽に借りられる民泊の時代になったため、シェアハウスはどこも空室が埋まらず赤字になってしまいました。

かぼちゃの馬車も平均の稼働率が30%前後だということですから、大赤字なのは間違いありません。

かぼちゃの馬車を運営しているスマートデイズにしろ、サブリース契約を結んだオーナー様にしろ、シェアハウス市場がこれからも伸びていくという見通しが間違っていたのです。

シェアハウスの利用者が急激に減ったため、シェアハウスをたくさん運営している業者ほど、赤字になる金額が大きくなります。そして、その赤字はサブリース契約を結んでいるオーナー様にも影響を与えるのです。

シェアハウス運営会社が倒産してしまえば、シェアハウスは終わりです。そのため、サブリース賃料の減額も涙を飲んで受け入れなければいけない状況になっているのです。

また、シェアハウスの場合は民泊と違って、建物の構造自体がシェアハウス専用のものになっていますので、通常の賃貸物件への転用は大変難しいのです。

まとめ

レオパレスにしろ、かぼちゃの馬車にしろ、世の中にうまい話はないなと思わせてくれます。

建物を建てるのには大金が必要です。しかし、建物を建てたあとはサブリース契約で収入を保証してくれると言われると建物を建ててしまうのが人のサガです。

サブリース契約自体には何も問題はありません。ただ、サブリース契約をして実際に運用する会社が利益を上げ続けられるのかが問題なのです。

レオパレスもかぼちゃの馬車も、建物を建てたあとの運営に失敗して、オーナー様に迷惑をかけているのです。

以上、レオパレス・かぼちゃの馬車に見るサブリース契約の問題点でした。