【最終更新日2018/1/17】
賃貸仲介業業は営業職がメインです。もちろん、管理部門もありますが、物件を仕入れたり、仕入れた物件を仲介したりする営業職が主役でなければいけません。どの賃貸仲介会社も営業職の給与を一番高くしています。(歩合制ですが…)
良い物件、たくさんの集客よりも優秀な営業マン(トップセールス)
営業しなくてもお客様に選んでいただける良い物件がたくさんあったり、インターネットを上手に利用してたくさんのお客様を集客したとしても、優秀な営業マンがいなければ売上が上がりません。
逆に優秀でない営業マンの場合は評判を落とし、信用を無くして、会社が衰退していきます。
そのため、日々、営業マンの教育を徹底してトップセールスの行っていることを全営業社員が情報共有する仕組みが必要です。
トップセールスは無理なごり押しや嘘つき営業でトップになっているわけではありません。細部まで気を遣う、相手の立場から物事を考えるなど、本当にちょっとの違いの積み重ねがトップセールスに押し上げているのです。
だから、そのちょっとした違いを社内の営業マンで共有することで、会社全体の営業力があがっていきます。
※不動産営業のトップセールスについては、さらに詳細にこちらの記事に書いてありますのでご参考ください。
トップセールスの特徴と共通点
言い訳しないで売上を上げる
売れる営業マンの最大の特徴は「言い訳をしない」ことです。不動産営業をしているととにかく営業マンがいろんな言い訳をします。でも、売れている営業マンはほとんど言い訳をしません。
言い訳をしていたら売上が上がらないからです。とんでもない言い訳をする営業マンもいますが、ここではよくある言い訳をご紹介します。
・あのお客様は探し始めたばかりで、まだ決める気がない
・あのお客様はなんとなく見にきただけで今日決める気はなかった
・あのお客様は引越時期が決まっていないからまだお部屋を決めない
・あのお客様はまだ住む場所も決めていないから今日は決めない
などです。
立派ですよね。
こういわれてしまったら上司も言い返すのが難しいですよね。
でも、売れる営業マン(トップセールス)であれば、こんな言い訳はしません。探し始めたばかりのお客様でも、人間関係を築き、他社の物件資料も見せて、お部屋を十分見たんだから今日お申込みをしてくださいとズバッといきます。
なんとなく見に来たお客様でも一生懸命に営業して、ご案内して、お部屋を借りたい気持ち、引越をしたい気持ちを高めてお申込みまでいきます。
この営業中にお客様の購買意欲を高めることを「契約体温を高める」と言っています。これについてはものすごく良い本がありますので紹介させて頂きます。
ひとり社長が店長時代に営業マン全員に渡していた本です。そして、その営業マンが店長になったあとも、その店長が社員にこの本を購入してあげていました。
内容がわかりやすく、簡単です。読んですぐに実行できることが書いてあります。お客様の買いたい気持ちを高めてあげてください。
引っ越しの時期や住む場所が決まっていないくてもいいのです。営業マンが決めてあげるのです。引っ越しをしたい気持ちを高めて、すぐにお部屋を借りる気にさせてお申込みを頂くのです。
売れる営業マンと売れない営業マンの差は「言い訳」をするか、しないかです。
お客様の話を良く聞いてバランスを保つ
お客様の話を良く聞くことは営業の基本です。しかし、これができていない営業マンが多いのです。お客様の話を良く聞くということは「お客様がもうこれ以上話すことがない」くらいまで話を聞き出すのです。
物件の話だけではなく、仕事の話、家族の話、学生時代の話、もっと遡って人生全ての話を聞き出すのです。
話を聞き出すことができた時点で、お客様はその営業マンを信頼しきっています。
店長は営業が終わった社員を呼んで、営業中にどんな話をしたのかすべて聞けば、良い営業だったのか、悪い営業だったのかわかります。
そして、聞き忘れた事項を営業マンに伝えてあげれば、その営業マンは次回の営業に生かすことができます。
あのお客様は出身どこなの?大学はどこ?高校はどこ?趣味は?彼氏、彼女はいるの?月給は?年収は?休日は何しているの?好きな食べ物は?嫌いな食べ物は?など聞き忘れていることがないか確認しましょう。
これを繰り返すだけですぐにトップセールスになれます。
お客様は物件で選ぶのではありません。信頼できる営業マンの話を信じてお部屋を借りるのです。
信頼関係ができれば、物件の選定は営業マンがするべきです。素人であるお客様が本当に良いお部屋に住むために営業マンがいるのです。
お客様、家主様、会社の利益を三方よしとする
どんな営業でも同じですが、誰かが得をして、誰かが損をするような仕組みでは継続して売上を上げ続けることはできません。
だから、常に三方よしの考えを持ち、お客様が満足されて、家主様が満足されて、その上で会社も売上が上がることを意識しなければいけません。
お客様が満足されても、家主様がその条件に満足していなかったら、次回は仕事をくれなくなります。
また、会社も利益がでない仕事であれば意味がありませんので、常に三方よしを考えられる営業マンが売れ続ける営業マンになるのです。
短期的な利益と長期的な利益をしっかり考えた上で営業することで長期間にわたりトップセールスを維持していくことができます。
優秀な営業マンでも準備9割、本番1割です
優秀な営業マン、トップセールスは話をするのが上手くて、コミュニケーション能力抜群ですよね・・・ってそんなことありません。
人見知りでも、対人恐怖症でもしっかり準備すればトップセールスになれます。もちろん、押しが強いことは大切です。
しかし、営業力が弱くても、物件の加工(家主様に条件交渉してお客様に借りやすい条件にする)が上手い営業マンや、事前に物件を実際に何件も何度も見て置いて言葉に重みのある営業マンはトップセールになれます。
優秀な営業マンほど、準備9割を心がけて仕事をしているのです。テクニックだけではありません。私が知っているトップセールスには、毎日、仕事の始まる前と終わった後に原付(スクーター)で新しく出た物件を見て回る営業マンがいました。
全国チェーンで常にトップセールスでしたが、毎月、営業成績の表彰で華やかな振る舞いをしている陰で、ものすごく努力をしていました。
その営業マンは毎日の物件確認で物件知識が豊富なうえ、マメに家主様へ連絡をして人間関係を築いているので条件交渉もお手のものでした。
そのため、お客様に自信を持って応対することができ、クロージングの段階で家主様から好条件を引き出すことで高い契約率を保っていました。
また、万が一、クロージングして決まらなくても、豊富な物件知識があり、どの物件も鍵の所在を把握していますので、再度、お客様の希望を聞いてすぐに現地で振替物件を手配することができます。毎日、努力しているからトップセールスになれるのです。
まとめ
優秀な営業マンの条件はいろいろありますが、ポイントを絞るなら次の2つに集約されます。
1、言い訳をしない
2、準備9割を徹底する
この2つを理解して、行動することで優秀な営業マン、トップセールスになれます。
会社でよく営業のロールプレイングを行いますが、それよりも言い訳をしないこと、準備を徹底することを教えた方がすぐに優秀な営業マンになれます。
そのうえで営業ロープレなど技術的なことを向上させていければ、トップセールスとして長く活躍ができます。
営業は心理学です。お客様と対面してお客様の心理を分析します。せっかく、分析しても言い訳して逃げてしまったり、準備不足で対応できなければ売上は上がりません。
優秀な営業マンであればよくわかっていることかもしれませんが、メラビアンの法則よりこの2つの方が大事です。
最後に、言い訳をしない、準備9割のトップセールスマンは自然発生しません。営業部の責任者、各店舗の責任が適切な指導を行うことでトップセールスマンを作ることが大切です。
以上、賃貸営業マンがトップセールスになるために~特徴と共通点~でした。